【論文メモ①】教職課程履修者の教職に対する意識と学習への取り組みに関する研究
今回は「教職課程に属する学生の意識」について考察してみます。
ブログのタイトルが今回考察する論文ですが、ここから教職課程履修者の「教職を志した理由」に論点を絞ります。
◇研究方法
・首都圏にある計4つの大学の幼稚園~高等学校の教員を志望する学生782人に、質問紙調査を行います。
◇結果(他にも興味深い結果がいくつかあります)
・教職を志した理由
→30%を超えたものは①「自分が履修している免許の教科が好きだった」②「理想となる先生に巡りあえた」③「子ども・生徒が好き」(他にもある)でした。
◇分析・考察
これらの「教職を志す理由」の背後には何があるでしょうか。①~③の根底で共通する点は「特に教育現場に焦点が当てられた熱意に近い思い」だと思います。
「当たり前じゃないか」とつっこみを入れられそうですが、どうも私には「社会」という視点よりも「子ども」という視点がかなり強く前面に出てきている印象があります。
教育格差は就学前から存在し、義務教育終了後、労働社会においても残り続けるという意味で「社会的」問題と言えるでしょう。
もちろん現場への「熱い」想いも非常に大切ですが、同時に、子どもたちが飛び込む社会への「冷静な」視点も持ち合わせる必要があるでしょう。
加えて③と関連しますが、自分の指示通りに行動できない子どもたちも同じ教室内にいることが多いでしょう。「特別支援教育」に関する幅広い知見も要求されるでしょう。
このように「社会を視野に入れた幅広く、客観的(冷静)な知見」が教職には求められます。
「知識の保有には意味がなく、その活用に意味がある」と最近はよく言われますが、教職に関しては「知っている、理解していること」それ自体が大きな意味を持つように思えます。
皆さまはどのように考えますでしょうか?
今回の論文はこちらから
「教職課程履修者の教職に対する意識と学習への取り組みに関する研究」『人間生活文化研究』